東和薬品株式会社(本社:大阪府門真市、代表取締役社長:吉田逸郎、以下:東和薬品)とTスクエアソリューションズ株式会社(本社:大阪府守口市、代表取締役:竹安正顕、以下:Tスクエアソリューションズ)は、近年の医薬品の供給不安や今後も続く市場からの要求への対応を見据え、医薬品供給プロセスの更なる効率化に向けた取り組みを開始したことをお知らせいたします。
ジェネリック医薬品は、国の方針による後押しもあり、今では80%を超える使用割合となっております。その一方で、2020年以降のジェネリック医薬品メーカーの品質不正問題の影響により業界全体の供給が不安定になり、全ての注文に対応できていない「限定出荷」や「出荷停止」といった品目が多く発生しております。この状況に対し業界全体として、供給不安解消のための増産の取り組みが進められていますが、いまだに供給は不安定な状態が続いています。
増産が容易ではない要因の一つとして、ジェネリック医薬品メーカーの取り扱い品目が少量多品種であるという特徴が影響しています。他社の供給不安や急激な需要の増加に対応する場合、対象となる品目以外の製造や出荷の計画を調整する必要がありますが、影響を受ける品目が多いため、それらを考慮した計画変更には多くの時間と労力、経営判断も必要となります。
東和薬品とTスクエアソリューションズは、今回の取り組みにより、複雑な製造と供給に関する情報の可視化を進め、医薬品供給のプロセスの省力化や意思決定スピードの向上を目指します。
東和薬品とTIS株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:岡本安史)の合弁会社であるTスクエアソリューションズは、東和薬品のDX推進をシステム面から支える立場として、東和薬品の関連業務部門と一体となってシステム・業務の両輪をそれぞれ担いながら推進しています。
具体的には、関係部署の主担当者との密な打合せや情報の収集・整理を通して、東和薬品としての供給プロセスのあるべき姿の検討に加え、実業務の問題・課題などの実態の把握・整理とその真因の追求といった支援を東和薬品と一致団結して進めています。これにより、市場や会社からの要求と現場の課題に対して最適な仕組みの実現を目指します。
今後は以下の取り組みを順次進めてまいります。
●社内情報の共有強化による市場変化へのより柔軟な対応の実現
製造・販売・在庫・購買計画や計画と実績の推移・差異、変更履歴等の管理情報、製品・原材料のリアルタイム在庫状況、製造設備の稼動状況など、供給に関わる判断(増産・減産品目の決定や原薬の必要量の算出等)に必要な情報を集約・可視化します。薬品別や薬効別など様々な切り口での確認・分析を可能とし正確かつ迅速な判断や、急激な市場変化に対する柔軟な計画の変更を実現します。
また、供給プロセス効率化の専任担当を配置することで、全体最適をさらに追及した方針決定や判断に繋げます。
●シミュレーション機能拡充による計画精度の向上
年度や月ごとの製造・販売・在庫・購買計画の立案や急激な市場変化に対する計画変更の際に、設定した判断軸ごとのシミュレーションを自動で実施します。それにより、会社として十分な検討や根拠を以って最適な計画を確定し、それに基づく製造や供給を進めていくことで業務の効率化と最適化を促進します。
●市場や社外情報の利活用・他システム連携による供給プロセスの高度化
製造・販売・在庫・購買計画や実績等の情報に加え、他社を含む市場の定量・定性的な情報や委受託の状況、MRが医療機関などから収集した現場の声といった各種情報と最新技術を活用して、供給プロセスの効率化をより強化します。
MES/LIMSや生産スケジューラなどの社内の関連システムと連携することで、判断から実行までの自動化や効率化を実現します。
これらの取り組みにより、東和薬品は医薬品の供給不足解消に向けて尽力してまいります。
【Tスクエアソリューションズ株式会社】
地域共生社会の実現に向けIT関連サービスの企画・提案・導入支援、メディカル業界に対するIT関連サービス提供、東和薬品グループの情報システム部門機能の受託を事業内容としています。
詳細はこちらをご確認ください。https://www.t2-sol.co.jp/